エントロピー

世の中の不可逆性、元に戻らない変化はエントロピーが増加しているために生じています。元に戻らない変化というのは、例えば砂糖と塩を混ぜたら元通りに分けることが難しくなってしまうなど身近なものから時間、寿命といった壮大なものも含まれます。エントロピーを一言で表すと「デタラメさ加減」となります。このエントロピーというのは減少することがなく、増加し続けるという性質があり、先程の砂糖と塩の例で説明するとその2つを同じ容器に入れた時、それらが混ざることはあっても右側は砂糖で左側は塩といった具合に分離していくことはないですよね、この現象はデタラメさ加減が小さい状態(砂糖と塩が分離している)からデタラメさ加減が大きい状態(砂糖と塩が混ざっている)に変化していると言い換えることができると思います。この現象の原因は砂糖と塩が分離した状態になる確率が、混ざっている確率よりも圧倒的に小さいというところにあります。砂糖だけが右側に綺麗に整列していく確率は極めて小さく、基本的により混ざった状態に近づいていくのが自然だということです。

時間や寿命も同じです。寿命は生物を構成する高分子が正しく機能するように配列されているものが、どんどんデタラメになることによって生じるものですし、時間も本来時間自体は戻ることが可能なものですが、エントロピーによって元に戻らない一方行なものであるように見えるのです。

参考文献

鈴木炎『エントロピーをめぐる冒険』(講談社)

都筑卓司『マックスウェルの悪魔』(講談社)

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